腹黒スマイル王子
クリスマスイブ
私の誕生日が終わる頃街はクリスマス一色に変わる。

町中の街路樹に夜になるとブルーやホワイのLEDライトがキラキラと輝き私達の心に幸せをもたらしてくれる。


誕生日に貰ったペンダントを触るのが私の癖になっていた。

「また、触ってる。

ハイハイ、よっぽど嬉しかったんだね。」

「そんな訳じゃ。」


「そうそう、皆はクリスマスイブどうするの?」


「私は勿論孝太と過ごすよ。」


「陽向は?」


「一応理人とは会う約束してるけど、撮影になりそうなんだって。」


「まー、今やan・anの看板モデルだもんね。」


そうなのよね。モデルを始めてまだ2ヶ月足らずなのに凄い人気が出ちゃって、編集長さんなんてやれテレビに出ろとかCMに出ろとかうるさいらしくて。しかも、雑誌の広告で撮った下着の写真が特に評判がいいみたいで街中にポスターが貼られるようになっちゃった。



「でもせっかく付き合って初めてのイブだよ。絶対会わなきゃ駄目だかんね。」


恵梨香ったら物凄い力説してるんですけど。


「分かってるよ。私も誕プレのお返しも兼ねてプレゼント渡したいし。」

そう、このネックレスのお礼の気持ちも込めて密かにセーターを編んでいる。だって、最近会う機会がめっきり減ったから時間が沢山あるんだもん。
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