腹黒スマイル王子
「お腹減ったろ?

ホントはお店予約してたんだけど、もう時間過ぎちゃったから何処かで何か食べて帰ろう。」


お店予約してくれてたんだ。


「ごめん。」


「謝んなって。」


結局どこのお店も予約でいっぱいで私達はハンバーガーショップに入った。


「せっかくのイブだったのに、本当にごめんね。」

「いやいや、元をただせば俺が悪いんだし。

まっ、いいんじゃね。俺は陽向と一緒ならどこでもいいし。」

久しぶりに聞いた理人の俺様ぶり。でもどこまでも優しい理人にちょっと懐かしさを感じながら、


「これ良かったら。クリスマスプレゼント。」

さっき忘れて行った紙袋を恥ずかしそうに理人に渡した。
理人は、驚いた顔をしながら紙袋を開けるとさらに驚いて、

「なに。これまさか手編み?」


「う、うん。あんまり上手にできなかったんだけど。」


「そんなことないよ。スゲーな。どう?似合ってるかな?」

理人は、何つけても似合うに決まってる。

「うん。格好いい。」


「まっ、そうだろうな。

俺何着ても似合うから。」

「やだー、理人ったら。自分誉めすぎ。」

「サンキュー、陽向。


これは俺から。」

理人は小さな箱を手渡してくれた。


< 141 / 144 >

この作品をシェア

pagetop