腹黒スマイル王子

体育祭

6月に入ると学校中が体育祭ムードになる。

この学校は先生も生徒も行事大好きお祭り大好きで体育祭とか学園祭とかはとにかく盛り上がる。

「皆、何に出るの?」

美人がお弁当を机の上に乗せてくっつけてきた。

私の友達は、美人、海斗、涼香に俊輔(この二人は恋人同士)それに恵梨香の6人でいつも一緒にいる。
恵梨香は他校に彼氏がいるからバスケ部だけが見事にシングル。

「私と俊輔は二人三脚。」

ハイハイ、あれはバカップル いや、カップルの殆どが出ると言われる競技だ?

最初に聞いた時はこの学校は大丈夫なのかと本気で心配したけど、かえってオープンにしたほうが、いさかいがないらしい。

「私は、体力測定の短距離走のタイムの速い順で有無を言わせずリレーにされた。」

落ち込んで答えると

「おっ、一緒じゃん。よろしくな。」

なんて明るい返事がかえってきた。


「いいよね、海斗は学年トップの俊足だもん。
私なんてリレーのメンバーで一番足遅いんだから。」

「大丈夫。おれがフォローするから。」

海斗に言ってもらうと安心する。

「私は、100mと借り物競争。」

恵梨香は体育委員だから余り物に出るらしい。


「美人は、何にでるの?」

「…… 障害物競争。」

答えながら私は違うことを考えてる。

いいなぁ、陽向海斗と同じ競技に出られて。

この気持ちは誰にも気づかれたらダメ。
だって、海斗はいつも彼女を見てるから。
< 22 / 144 >

この作品をシェア

pagetop