腹黒スマイル王子
借り物競争は、まず、10m程走るとプレートが置いてあるのでそれを見てそこに書かれているものを持ってクイズに答えてゴールするという。いかにも我が校の好きそうな種目。
そして、これがまた盛り上がるんだから。でもこんな学校私は好きなんだ。

よーい、ドン!

山神くんがファンの声援を背に走り出した。

プレートを拾って見たあと、キョロキョロと辺りを見回す、

そしてこちらに向かって真っ直ぐに走ってくる。

真っ直ぐに、 真っ直ぐに……。

あっ。思い出した。卒業式のコサージュ。


ドキッ


そしてまたあの時と同じように私の前で止まった。

山神くんは何も言わず笑いながら私の手を握り走り出した。

「おい、理人!」

海斗が慌てて呼び止めようとしたが理人は聞こえない振りをして走りさってしまった。

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