上司に秘密を握られちゃいました。

制服とのご対面


再び電車に乗り込むと、私がいつも降りる駅から三駅先まで行き、駅前から続く長い坂道を歩く。


ここは、閑静な住宅街。
大きな家だらけで圧倒される。


「ここなんだけど、散らかってるかも」


真山さんはポケットから鍵を出すと、かなり大きな一軒家に入っていく。


「えっ、こんなに大きい……」


純和風の二階建ての家は、庭まであって風情がある。

てっきり、マンションに住んでいるものだと思っていたから、かなりの衝撃だった。


「代々ここに家があってね。親父が立て替えたから、家はわりと新しいんだ」


「さぁ、どうぞ」と促された私は、緊張しながらブーツを脱いだ。


「おじゃま、します」

「こっち」


真山さんは私を南向きの和室に案内すると、ヒーターのスイッチを入れてくれる。
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