上司に秘密を握られちゃいました。
結局、公立高校に進学したものの、杏林女子の制服への憧れは募るばかり。
バイトして制服を買ってしまおうかと画策したけれど、それもできなかった。
杏林女子の制服はあの東郷百貨店でも扱っているものの、学生証がなければ売ってはもらえないのだとか。
アヤシイ人が買えない様な仕組みになっていた。
「もう諦めなよ」
不貞腐れる私を敬子は笑った。
だけど手に入らないとわかった途端、もっと欲しくなるから不思議なものだ。
「作る……か」
「は? 藍華、とうとう……」
敬子が呆れ顔で私を見つめる。
「とうとうって、なに?」
「脳みそ、とけてきたみたいね」
ゲラゲラ笑う敬子は放っておいて、私は"買えないなら作るしかない"と真剣に考え始めた。