ホルガリズム
どのくらいここに居たのだろうかなどと、そんな大そうな憶測をするほど居なかったとは想うけれど、腹がマヌケな低音を鳴らしてくれたおかげで、そういえば朝食を取っていなかった事を思い出した。



河原から細道へ向かい緩やかな斜面を登る。道に平行してポツンと佇む白いベンチに腰をかけ、ジーンズの尻からセブンスターを取り出す。






―――初めて和葉と出逢ったのも、この場所だったっけな。





くわえたタバコから生まれる煙をぼんやり見つめていると、僕の記憶は2年前へと遡った。
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