夏服を収める頃には
淳は自宅に戻り、シャワーを浴びて
落ち着いても体のほてりが
納まらなかった。

望んでいたキスをすることが出来たし
さらに二で目は自分から進んで健の唇
を求めてしまった。

(うれしい。すっごい幸せ。

世界中で一番私が幸せかもしれない。

私の今の学校でのことも、過去の
恋愛についても、私のことを思って
決して健ちゃんは尋ねてこない。

そんな健ちゃんが好き。

そしてだから私は青山先生との関係は
そのうちに終わるものと信じて
いるし、その為にも私は勇気なしっ子
である自分を努力して変えて、
健ちゃんが私だけを見てくれるように
しなければならないんだ。

健ちゃんが過去の私に詮索しないよう
に私も青山先生との関係は聞かない。

だって、健ちゃんが一番苦しんでいる
はずなのに、私がさらに傷を広げる
ような真似はしたくない。

健ちゃんは一人で解決してくれる。

そして私だけを見つめてくれるんだ)

淳はブラシで髪をとかしながら
鏡を見つめた。

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