夏服を収める頃には
集 会
月曜日になり、すっかりいつもの様子に
戻った健は気分良く登校した。

金曜日に英語の授業がなかったので亜子
と顔を合わすことはなかったが、今日は
二時間目が英語の授業であった。

気まずい状態にはなるであろうが、今日
さえ終えればあとは問題はないだろうと
健は考えていた。

健は六組の教室のドアを開けた。

「観光ビザで就労してるみなさん、
おはよう!」

教室の雰囲気がいつもと違っていた。

いつもなら前に座っている女子数人が
笑ってくれるはずだし、竹内が座席から
突っ込んでくるはずが、教室の生徒全員が
落ち着かない様子だった。

そう言えば廊下でも、みんな何かを
話し合っているようだった。

一番前に座っている淳を見ると、首を横に
振っているのが分かった。

意味が分からず、席に着くと竹内が深刻
な顔をして話し出した。

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