夏服を収める頃には
宣 言
朝の駅の改札口は通勤通学客で
ごった返していた。

大野はコインロッカーの前で
大きく手を振っていたので
淳も手を振りながら
走って近づいた。

「おはよう!

ねえ、さっそく聞かせて。

広瀬君情報。

ねえ早く」

淳は大野の制服の袖を引っ張った。

すると大野は眉を下げながら

「淳、ごめん。

結論から言うと尾行初日で
ばれちゃった」

「ええ?嘘?」

「だから、ごめんって
言ってるでしょ」

二人は駅を出ると学校へ
歩き出した。

大野は回りに青葉高校の生徒が
いないことを確認してから
声を潜めて話し出した。
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