夏服を収める頃には
目 撃
二人は敬礼をすると、
竹内は涙目でプリントを見つめ、
健は教室を飛び出した。

淳は竹内の最後の言葉が聞こえたので
心の中で「ラッキー」と叫んでいた。

CDショップでクラブパーティーの
ことを聞けば、自分のことを
誘ってくれるのではないかと
考えた。

淳は昨日大野が尾行失敗となったので
ある程度の距離をもって後を
追うことにした。

六十秒しっかり腕時計で測ってから
淳は教室を出た。

それでも廊下に出ると急ぎ足になり
徐々にスピードが早くなると
正面玄関の下駄箱前で、
健に追いついてしまった。

(馬鹿、私の馬鹿!

追いついたら意味ないでしょ)

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