夏服を収める頃には
翌 日
今日の目的は臨海公園に行くことに
なった。

先に電車に乗った健は淳の住む町の
駅で一旦降りて、ホームで淳を探した。

階段を走って淳が降りて来るのが
見えた。

今日はノースリーブのワンピース
だった。

何を着ても似合いかわいいと思い
健はとろけそうだった。

90年代のロックバンドのTシャツ
を着ている健に息を切らせながら
淳は口を開いた。

「ごめんね、ちょっと遅くなって」

「どうせ、キオスクで万引き
見つかって逃げ回ってんでしょ。

内緒にしておくよ」

「してない!

お弁当作ってたら遅くなっちゃったの」

淳は肩に掛けているショルダーバッグ
をぱんぱんと叩いた。
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