君をひたすら傷つけて
「今日の放課後一緒に買い物に行くことになったの。高取くんのお母さんの誕生日プレゼントを買うのに付き合うことになっている」

「高取くんに誘われた?メアドも教えて貰ったの?」

「うん。教室を一緒に出ると色々あるし」


「そっか。高取くんは優しいから楽しんできたらいいよ。受験勉強で頑張っている自分にご褒美でいいじゃない」


 そういうとさやかはウキウキしながら、自分のバッグからポーチを取り出し、グロスを私の唇に近づける。


「何するの?」

 いきなりのさやかの行動に椅子から転げ落ちそうになる。まさか、教科書で重いはずのバッグから化粧ポーチが出てくると思わなかったし、ピンクのキラキラしたグロスが塗られそうになるとも思わなかった。


「決まっているでしょ。雅を可愛く変身させてあげようと思ってるのよ。初の放課後デートで、高取くんの心をギュッと引き寄せないと」


「いいよ。そんなの変だって。それに、今朝、友達以上に見てないって言われたし」

 忘れようと努力していたのに一気に今朝の光景がフラッシュバッグしてくる。あの女の子はとっても可愛かったのに振られてしまった。あんなに可愛いのに無理なら、私はもっと無理。

「それって告白したの?」
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