イケメンすぎてドン引き!


「あははー! ノリ坊も再テだったんだぁ、あたしと一緒じゃん」



「いや~俺、数学苦手で。マジヤバかったっす」



「そうなんだ、良かったね夏休みゲットできて」



「オブチさんこそー。じゃ俺部活なんで。またラインしますねー」



「はーい、頑張ってねー」



じゃーねーと手を振りながら、ノリ坊と別れた。



――あれ?



あたし、今、ノリ坊と普通にしゃべれてた?



再テスト仲間ということで、ちょっと親近感がわいた。



しかも、年上女子に定評がある、彼のはにかんだ笑顔……


結構可愛いかったなぁ。









「あ、先輩! 無事再テスト合格しました!」



帰り道、県道で信号待ちをしている吉野先輩の姿を見つけた。



テンション高く、あたしは報告したけど、


先輩はちらっとあたしを見てから、


「へー。良かったじゃん」とだけ言った。



そのまま、歩行者信号が青になり、彼はあたしを置いて横断歩道を進んでいく。



あれ、これだけ……?



拍子抜けしたあたしは、先輩の半分くらいのスピードで県道を渡っていた。




< 189 / 262 >

この作品をシェア

pagetop