とんだ勘違いから


広陵さんが片眉を上げて、ん?と驚いているから口があかずにクリームが唇についた。



「はっ、まこ


何やって」


最後まで言わせる前にそのまま私の唇を押し当て、舌でクリームを舐める。



私よりも広陵さんのほうが海の存在に驚いているのかもと思ったから。



「彼が口にクリームがつくのが嫌だからってそれしか食べなかったからです。


本当はクリームのケーキが好きなのに。」



まだ彼の口元についていたクリームをぺろっと舐めると



「まこのことになると、いっぱいでかっこ悪いな。」



いろんな彼を見ていくと、
どうしてこんなに広陵さんがかっこよくていい人なんだろう、ともっと好きな気持ちが増えていく。


元カレ、海にあわせてばっかりだったけど、広陵さんには何でもさらけ出せる。



大胆になりすぎて、イヤになられたらどうしようとふっと考え込んでしまい下を向いた時



「じゃ、まこが食べさせて。」



口角を上げた広陵さんが指先で顎をクイッと持ち上げてきた。



見つめられるとすごく恥ずかしいよ。
< 100 / 102 >

この作品をシェア

pagetop