とんだ勘違いから
「今日はいつもより軽いな。」


と俺が焦っているのを知らせないようにかっこつけてみる。


「ずっとこうしていようか。今日は泊まりだしな。時間はある。」


彼女の恥ずかしそうに俺を見つめる瞳に俺は鷲掴みされていることも知らずに


「抱い‥てください。広陵さん」


と言われて、


「ほントにまこには参るな。俺、余裕ないと何するかわかんないよ?」

盛りのついた大学生みたいにめちゃくちゃにしてしまうかもしれないと思うのに


「広陵さん、大丈夫です。」

なんて彼女の意思表示に、俺の理性が保てるわけもなく


「もう、無理。まこが俺を狂わせるんだぞ。」


大事にしようと大人ぶってたくせにガキのように食らいついた。














何度も二人でのぼりつめたあと眠ってしまったまこを抱きしめながら俺も眠りについた。








それから

俺の腕の中で彼女が起きた。

こんなに気持ちよく眠れ、寝覚めも最高なのは久しぶりだ。


満たされた気持ちでまこに目を向けると、昨日の大胆に誘ってきた姿でなく恥ずかしそうに頬を赤くしてる。

まこのいろんなしぐさに俺は翻弄されているんだ。




だから

「シャワー浴びておいで、それとも一緒に行こうか?」と余裕を見せてみると


「広陵さん、一緒に行きましょうね。私が洗ってあげましょうか?あっ、顔が赤くなってますよ!」


本当にまこにはかなわない。


彼女がシャワーを浴びている間に朝ごはんでも用意してやろうとベッドを出る。


情けない、俺はホイホイ彼女の家に泊まってスーツをまた着て日中を過ごすのか。

下着でいるわけにもいかないし


まこがシャワーから出てくると


「俺、家に帰るわ。」

そう言うとまこが悲しそうにするからすぐに言い訳する。





「まこ、俺服ないんだよね。だからシャワー浴びようにも着替えもってないしさ。もし良かったら俺のとこ来てくれてもいいけど、何もないけど下でなんか買ってから行くか?」



恥ずかしいことを言ってると自己嫌悪してるのに

「はいっ。もう帰っちゃうって言うから私の事イヤになっちゃったのかと思って...」

まさかそんなこと考えるなんて


「そんなわけ無いだろ。俺はまこが泊まっても良いって言われて浮かれて下着も何も考えずにやってきて情けない奴だって思ってるぐらいで」


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