とんだ勘違いから
親友のファッションショーがあるから顔を出してきてくれ、と社長に言われたのだ。

親友の名前はケイン。もちろん、デザイナーのニックネーム。

私もいつもお世話になってるヘアドレッサー兼デザイナーみたいなファッション関連は何でも任せろな人。


どうしてもファッションショーに出て欲しいと言われて最初は断るはずだった。





「本当は光信(社長)の彼女にこのウェディングドレス着せるつもりだったんだけど、

急遽海外へ行っちゃってさ。


彼女しばらく戻ってこれないんだよ。」


どうしてそんな急な用事で私が駆り出されるんだって言ったら

光兄のお母さんである靖枝おばさんの緊急手術だって聞かされて、その彼女さんのお母さんがドナーなんだと聞いたら即答で


「やらせてください!」


なんてオッケーしちゃった。



ウェディングドレスは何度も着るもんじゃないって思っているけど

趣旨を聞いて私で良ければって

新郎役のモデルさんはまだ決まってないって。


本当は光兄と彼女さんのセッティングらしかったけど、まさか私と光兄はないでしょうって事で社長室でどうなるかなってことを話したあと



「まこと、いい顔してるな。

仕事か?それとも男か?」

なんて


「それ、セクハラだよね。」


なんて冗談言い合いながら


「仕事楽しいよ。それに1課の人たちもいい人ばっかりでね。」

とこれは私からの本心だとわかって光兄は喜んでくれた。



「良い恋しろよ。」

そう言って頭をぱふっと撫でられて私は社長室を後にした。





思ったよりもケインと社長の打ち合わせが早く終わって仕事に戻ろうと階を降りた時聞きたくないことを聞いてしまった。




部長と課長の会話.....
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