桜ノ華



女子という生き物は少々強引なくらいが好きなようで。

黄色い悲鳴が、控え目に響き渡った。


『地位は会長の下、副会長の上。ただし、この役職を絶対とはしない。

会長が求めた時にのみ任命し、解任もありえる。

…以上が、新生徒会規則です。そして、初代会長補佐は…』


選ばれますようにと、祈るような仕草をする女子生徒多数。

目もくれず、啓志は言い放った。


『3年A組、三条 桜。生徒会長の名の下、南十字 啓志が会長補佐に任命する』


賛美と、悲哀と、嫉妬の歓声。


「三条さんと会長…なんて眼福なおふたりなの!」

「嫌だ、三条さんが会長のものになってしまうなんて…!」

「会長まであの女に…!?」

『三条 桜。前へ』



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