不幸ネット
「はあ……」

 重い溜息をつく。

 今日も天気は良好。開け放った窓からは、新鮮な空気と眩しいくらいの日差しが差し込んでいる。

 初夏らしいごく普通の朝だ。

 それなのに、私の気持ちは暗く鬱蒼としていた。

「そろそろ行かなきゃ……」

 今日もあの憂鬱な会社へ行かないと。

 重い腰を上げる。

 遅刻なんてしようものならアイツに何を言われるか分かったものじゃない。
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