不幸ネット
「何か、遅れてるみたい」

 事もなげに答える美樹。

 何かあったんだろうか。

「珍しいね、上沼さんが遅刻なんて」

 鞄を適当に置いて、自分のデスクに腰を下ろす。

「詳しい事は良く分からないんだけど、どうやら車の故障みたいだよ」

 本人から連絡があったのだろうか。

 美樹は得意げな顔でくるくると器用にペンを回した。

 車の故障……

 上沼の家は最寄駅までが遠いらしく、それで車通勤をしていると以前に美樹から聞いていた。

 大体三、四十分ほどかかるって言ってたっけ。

 これは以前、上沼が小野田部長と会話している時に小耳にはさんだ情報だ。
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