溺愛宣誓
結婚ごっこは計画的に



:::::::::【十一章】::::::






週末の夜、帰宅して家に居ると玄関のチャイムが鳴った。


「えっ……お、織田さん…!あ、あれ?…出張って……」


玄関を開けると居る筈の無い織田さんが居た。

織田さんは昨日から出張していて、今日一杯仕事だから帰ってくるのはどうしても明日になりそうだと言っていた。

だから土曜日は午前中から会おうと約束していた……筈。


「ん。カノに会いたい一心で頑張って仕事終わらせたんだ。驚かそうと思って内緒で押し掛けてみたんだ!!…………………が、嬉しくなさそう?」


ぎくっ。


「いえっ、そんなっ…うううう嬉しいに決まってるじゃないですか!!ええっと…じゃ、織田さんもお疲れだと思うので早く帰って休んで下さいね?」


それでわ………と玄関を閉めようとしたら止められた。

堅い沈黙を置いて、織田さんの口からいつに無く冷やかな声が落ちた。



「ねぇ、カノ。その背後に居る座敷童子はなんだろうな。」




…………ああ、バレてしまった。


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