溺愛宣誓

必死に口をもごもごしながら段々涙目になっていく私。

…誰かタスケテ。

そんな心の叫びが誰に聞こえる筈もなかろうに、不意に顎がすっと掬われた。


へ?


目をパチクリと瞬かせれば、涙でぼやけた視界に織田さんの微笑があって。

―――コクリ

彼の喉仏が上下するのが見えた。

あ。ちょっと男を感じてドキドキしちゃいます……

って、言うか!!

ちょ…えっ!?待って!!!

私のお口の中の味のないガム的な何かが、無くなってるんですけどっ。

ちょちょちょ……織田さん今何を致しましたか!?


ギッ、ギッ、ギッ…と油の切れたロボットみたいな動きで向かいに顔を向ける。

―――バッ、

と保奈美ちゃんと大三さんは揃って両手で両眼を覆った。

見猿(みざる)!!!

いやぁ―――、その真っ赤な顔でやらないでぇぇぇ!!!


「思った以上にひ弱い顎も、泣きそうな顔も凄く可愛いけど。いつまでも眺めてちゃ、イジワルだって嫌われちゃいそうだしな。それと次からはカノがちゃんと食べれるようにもっと考慮する。」


コレが女の子に冷たい織田さんだとしたら、優しい織田さんって一体どんだけ甘くなるの!?

経験乏しい私には既に途方に暮れるレベルなんですがっ!!



ヒートアップし頭からプシューと蒸気をだしながら私はボンヤリ思う。

恋人のお付き合いって想像を絶する甘さ。

というか、織田さんと言う人はやっぱり私の想像を超えた人だった……。

< 19 / 153 >

この作品をシェア

pagetop