溺愛宣誓





夜の七時。

鞍馬華ノ子、約束の場所で立つ。


うう……保奈美ちゃん酷いよ。

今日の今日って……いきなりすぎて心の準備も出来やしない。

大体、私に用事があったらどうするつもりだったの。

……ないけど。

駅前に佇む私は行き交う人の多さと、これから初対面にも近い人と会わなきゃいけない緊張で視線が足元に落ちたまま、上がらない。

あ。どうしよう。

この間の合コンも終始俯いていたため織田さんの顔が分からない。


その時ぽんと肩を叩かれ、声を掛けられた。


「ねぇ、カ~ノジョ。暇なら俺達と呑みに行かなぁ~い。」


うん。……これは、違うな。


俯く私の視界に入った靴は二つ。

そのどちらもこの前とは違う。

や、靴なんてその日の気分で履き替える物かもしれないけれど。違うと思う。


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