溺愛宣誓


「いやはや、お騒がせして申し訳ありやせんね。長丁場のショーの中休みで、コイツがどうしても日本に戻りたいって言うんで連れて来たんですが、目を放した隙に逃げやがりまして。妹さんの存在はかねがね伺っておりましたが、住居まではノーチェックで探し出すのにちょっと手間取ってしまいやした。」


少女は可愛らしい容姿に反して随分漢(おとこ)らしい口調で、これまた漢(おとこ)らしくあっはっはーと笑い飛ばした。


「じゃ、ショーも後半戦に突入するんでー。連れて行きますわー。」

「ちょ…あの…僕、ここで二人の仲を邪魔するという大事な使命が……」

「ショーもー、後半戦に突入するんでー、連れて行きますわー。」


………うん。

彼女には誰も適わない。



問答無用でお兄ちゃんを引き摺っていく少女(もどき)の姿に洩れなく誰もが確信した。




こうして織田さんとの仲も守られた。


「「徳河さん、マヂ神!」」


「あ゛~…濃ゆいキャラ二人も増えちゃって…この先が不安。」


手を取り合う私と織田さんの横で、お巡りさんが力なく突っ込んだ。




:::::【とあるお兄ちゃんとロリ少女襲撃事件:end】
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