桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)

「何で日和がこんな怪我してんだよ!?」

圭斗が声を荒らげた。



誰も、
その問いには答えられない。


「まさか、
放課後仕事があるって
言ってたのは...!」

飛鳥が落胆したように声を出した


「なぁ、これ!!」

日和の近くに落ちていた
上着を探っていた卓也が
何枚かの紙を見せてきた

「なっ...!」


――放課後
空き教室へ来い――

――昼休み
体育館裏に来い――

――放課後
空き教室に来い――

――放課後
旧体育倉庫に来い――


呼び出しの紙だった。


「少なくともここ最近
日和が遅かったのは、
コレのせいだ...」

涼が紙の数を見て
言った。


「...いじめか」

俺の今までになく低い声に
みんな驚いたようだった。


「...あぁ」


認めたくない。

そんな思いを裏切ったのは
飛鳥の短いひと言。
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