大阪セカンドシンデレラ



橋上さんが去った後、私は何とも言えない感情に襲われていた。


優しい橋上さん。


妹さんの為に、病院へ行って励まして看病して。


私なんて…。


もしかして好きかも?なんて中途半端な考えだけで動揺していた。


オンリーワンの通天閣。


橋上さんにとってのオンリーワンは。


きっと妹さんなんだろうな。


私…。


どうしても優しい笑顔が忘れられない。


この時、はっきりと確信出来た。


私は橋上さんに恋したんだと。


けれど。


今は、口にしてはいけない。


口に出してはいけない。


自分の思いを抑え込んで描いたあべのハルカスは少し傾いていた。



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