大阪セカンドシンデレラ



『鶴橋、鶴橋。』



「さ、先生。着きましたよ。」



「行きましょ。行きましょ。」



しもべ達は先生の肩を抱きながら、恨めしそうに電車を降りて行った。


鶴橋駅を出てすぐ。


車内でやり取りを見ていた全ての乗客が盛大な拍手を送った。


初老の男性はそんな盛り上がりに気にも留めず、智君に近づき目線を合わせるように軽く屈みこんだ。



「名前は何て言うんや?」



「智樹。」



「智樹君。君はこれからもっともっと未来へと羽ばたかなアカン子や。しょーもない事に負けたらアカンで!」



「うん!ありがとう。」



笑顔でお礼を告げると、初老の男性は立ち上がって智君の頭を撫でた。



「ありがとうございました。」



私も深く頭を下げる。



「いやいや。」


< 42 / 139 >

この作品をシェア

pagetop