大阪セカンドシンデレラ



「智君や。」



「智君!?」



入院前に母親と一緒に来たのだろうか?



「『入院する事になった。退院したらたこ焼き食べたい。』って言うてくれた。」



出来上がった真ん丸のたこ焼きをトレーに手際よく移し替えてソースとマヨネーズをかける。



「智君、お母さんと来たん?」



「1人でや。」



「え?1人で!?」



再び驚いた。


いつもの公園からゆかちゃんの店まで徒歩10分足らず。


でもそれは普通に歩いての時間だから、智君が1人で車椅子を押して行くにはかなりの距離と時間がかかるはずだ。



「智君な、1人でこの店来てくれてん。で、美紀に渡して欲しいって頼まれてん。」



ゆかちゃんは、出来上がったたこ焼きを注文した客の元に持って行く前に白い封筒を差し出した。


封筒を開けて、中身を取り出す。



「これって…。」



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