怪盗ダイアモンド
なんだよー……私一人でアホみたい。
やっぱ親友は騙せないか。
「そーだよ、まだフリーだよ!文句ある?」
思い切って逆ギレする私。
「いや、全然?」
「だって、彼氏いない方が、あたし達ずっと長く一緒にいられるもんね!」
……それもそうか。
ちょっと嬉しい。
「あれ、亜希乃、泣き止んでる?」
「ありゃ、ほんとだ」
「あはー、やっぱ、彼氏云々より、二人の方が大事って再認識出来たからかな?」
……嬉しい事言ってくれるじゃん!
阿弓と二人で亜希乃を小突く。
「いひひー、良い事言うじゃねぇか、アッキー!」
「よーし、嬉しい事言ってくれたお礼と慰めの為に、スチバ奢ってあげる!帰りに寄ろ〜」
「マジ?!やったー、行こ行こ!じゃ、あたしさっき蝶羽が言ってた新作のやつね!」
「じゃー、私は抹茶クリームフラペチーノにチョコソース追加したやつにする!」
「亜希乃は良いけど、阿弓は自腹ね」
「おいおいおいそれ奢りって言わねーじゃん!」
「今回は亜希乃を慰めるためだもーん」
「ぁんだよケチ〜!」
ふふっ。
……あー、やっぱり、こうやって三人でワイワイやってるのが、一番楽しい。一番幸せ。
日が傾いてきた夕方。
鮮やかな橙色に染まったアスファルトが、くっついた私達の影を地面に残していく。
……To be continued