優しい彼は残酷な人。
「..え?.....わかった、すぐ行く。」
そう言って、電話を切った朔は私の方を向く。
「ごめん、俺、ちょっと行ってくる。」
そう言って朔は散らばる服を着はじめた。
「....」
彼女のところへ行こうとしている朔。
たった少し前は私と話していたはずなのに。
今、きっと朔の頭のなかは彼女しかいないのだろう。
「.....ぃか...でょ」
「....沙羅?」
「...行かないでよっ..」
私がそう懇願すると、
「.....」
朔は黙って、悲しそうに眉を寄せた。