純情喫茶―恋する喫茶店―
「わたし、バイトで働いているんです」

明菜が笙の質問に答えた。

(おいおい、これって偶然ってヤツ?)

笙は心の中で呟いた。

「あー、こんなところで会うなんて偶然だね?」

そう言った笙に、
「驚きました」

明菜は信じられないと言うように答えた。

何故か2人の間に沈黙が流れた。

その沈黙を破ったのは、明菜の方からだった。

「あの、ちょっとお茶でもしますか?」

そう言った明菜に、
「えっ、お茶?

お店は大丈夫なの?」

笙は驚きながら聞き返した。
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