純情喫茶―恋する喫茶店―
「やれやれ、疲れた…」

空を見あげると、オレンジ色に染まっていた。

「今度からはあの古着屋に行かない方がいいかも知れないな…」

笙は呟いた。

明菜は間違いなく、自分に好意を抱いている。

今は達成すべき目標があるため、女の子と交際をしている場合ではないのだ。

そう思いながら、笙は無事に明菜とのお茶を終わらせて家へと帰ってきた。

「ただいま…って、あれ?」

玲奈がいなかった。

代わりに、テーブルのうえに手作りの料理と置き手紙があった。

『ちょっと出かけてきます

夕飯は温めて食べてね

玲奈より』

笙は置き手紙と夕飯である鶏の唐揚げとマカロニサラダを見つめた。
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