こっちを向いてよ、ダーリン!

知り合ったばかりだというのに。
しかも、学生の私に、なんて。


「空いたままにしておくと、部屋もどんどん傷んでいくし、住んでくれるのが沙羅ちゃんなら、私たちも安心だから」


ね? と私の目の奥を覗き込むように亜紀さんが顔を近づける。

そこまで言ってくれるのなら……。


「それじゃ、お言葉に甘えさせていただきます」


ペコリと頭を下げると、「そう! よかった!」と亜紀さんは顔を輝かせた。

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