こっちを向いてよ、ダーリン!
圭くんは、小刻みに何度か頷いた。
「よかった」
後遺症が残るような怪我じゃなくて、本当によかった。
強張っていた身体の力が一気に抜ける思いだった。
「ただ、それまでは、病院と会社を往復することになりそうだ」
「……圭くんが?」
うんと、小さく首を縦に振った。
……そうだよね。
圭くんのことを庇って怪我をしてしまったのなら、責任を感じてしまうのも、無理はない。
その人が治るまで、出来る限りのことはしたいと思って当然だ。
「あまり無理しないでね?」