夫婦の定義──君が僕のすべて──
レナはノックをするのをやめて、来た道を引き返した。

そして、ちょうど通りかかったルミにタオルを手渡す。

「あの子たちの忘れ物だと思うんだけど…。」

「ハイ、渡しておきますね。」


レナは何事もなかったように後片付けを済ませると、口をへの字にしてスタジオを後にした。


(もしユウと結婚していなかったら、か…。)



レナはいつものように帰宅して、乾いた洗濯物を取り込んで片付けると、キッチンに立つ。

(久し振りにカレーライスにしようかな…。)

米を研いで炊飯器にセットした後、人参、玉ねぎ、ジャガイモを取り出した。

(お肉…どっちにしよう?チキンか、ビーフか…ユウはどっちが好きかなぁ…。)

レナは冷蔵庫の前で首を傾げる。

(なんか最近、どっちにしようかって悩んでばっかり…。)
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