夫婦の定義──君が僕のすべて──
レナの肩を抱いて髪を撫でていたユウが、ポツリと呟く。

「オレたちに、家族ができるんだな。」

「うん。ユウの願い事叶えられるのは、私だけだもんね。」

「願い事?」

「覚えてないよね。」

レナはユウの肩にもたれて笑う。

「なんの事だろ…すごく気になるんだけど。」

「ユウも私も、小さい頃にお星様にお願いしたんだよ。」

「お星様にお願い?」

「七夕の短冊に、書いたんだって。ユウは、レナをお嫁さんにするって。私は、ユウのお嫁さんになりたいって…。」

「そうだったかな…。」

(ホントは覚えてるけどな。)

「ユウ、次の年には、レナと結婚していっぱい家族を作るって書いたんだって。」

「えぇっ…。」

(なんかめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…。こんな話すんのは、おふくろだな…。)

「いっぱい…はともかく、一緒に家族を作るって言う願い事は、叶えられそうかな。」

そう言ってレナは、嬉しそうに笑った。

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