雷獣

男の視線で拓哉先輩がわたしに気付き視線を合わせる。
一瞬驚いた顔をしたと思うと顔を歪め男に殴りかかった。
それが合図のようにあちこちで殴り合いの喧嘩が始まった。

私は巻き沿いにならないように少しづつ後ろに下がっていく。

すると入口の方から私めがけてやってきてくれる人がいた。
洸希さんだった。

「!?!?遥香さん」
大丈夫か?いま外すからな。
そう小声でいい口を押さえていたタオルを外してくれる洸希さん。

「洸希.....。」
涙がとまらないながらもしっかりと洸希さんの名前を呼ぶ私。

「テープも外すから。」
急いで手首を縛っているテープを外す洸希の後ろに鉄パイプを持って殴ろうとしている男が....

「洸希後ろ!」
私の声に素早く反応して男のみぞおちを殴る洸希。

「ッチ、遥香さんここじゃ危険なんであとは車ん中で外します。」
そう言い着ていたパーカーを脱ぎ私に着せてくれる洸希。
私を横抱きにして車へと急ぐ洸希
その光景を見ていたあの男が言う。

「あいつを止めろ!!!」
次から次へと襲い掛かってくる男達を拓哉さん達がカバーしたり洸希も負けじと蹴りをくらわしながら車へと急ぐ。

車の後部座席に乗せられ勢いよく発進する車。

「ここからすぐ離れたらテープ取るんでもう少し我慢してくれ。」
バックミラー越しに私を見て言う洸希。

こくんと頷く私。

人どうりの多いい駅前まで出ていて
「追っては来てない、ここなら人どうりの多くていいだろ。
腕だして、外すわ。」

「後ろで外してもらってもいい?こっちの方がスモークあるし誰かにみられる心配とかないから。」
分かった。と言い運転席から降りて後部座席に回ってくる洸希。
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