初雪が降るころに・・・
3章 傷

愛を知らない少女

雪乃視点


「…ん…き……ゆ…ん。雪乃さん?」

「…ッ、あ、すみません」

なんの話でしたっけ?と続ける私はとても傍から見たらとてもおかしい姿だろう。

最近、仕事が多く、寝ていない。

そのため、昼間でも、眠い。

しかし、ほぼ毎日会っている沖田さん。

まぁ、強制だ。

会って、なにをするわけでもなく、ただ、茶屋でお茶したり、ただ、話したりするだけだ。

この日も、そう、なるはずだった。









その茶屋でものが落ちる音がしなければ。









「し、白の忌み子!?!」









神様は不公平だ。


私が何をしたんだろう?


あの村の人間。


父様と母様をコロシタ……


ねぇ、ナンデイルノ?


ナンデアッテシマッタノ?


あぁ、そっか…………


私は忌み子。









『幸せ』になるなんて


許されないんだね?










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