タイガーハート

足音は直進して行った。
真っ直ぐな廊下を走り抜ける。

角を曲がると、数メートル先に背中を捉える。


茶色の長い髪。



「伏見っ!!!」

叫びながら追いかける。
一歩一歩踏みしめるのと同時に、思い出す。

ふざけている時の変な顔。
照れた顔。
泣き顔。

太陽みたいな笑顔。


2メートル。
あと、1メートルと距離を縮める。

曲がり角に差し掛かった時、走るスピードが落ちる。
とっさに腕を掴む。

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