月下美人が堕ちた朝
20060725pm04:57
もうすぐ五時になろうとしているのに、未だ太陽は高いままだ。

たけど可愛いレースのカーテンを揺らす風は、少しだけひんやりとしてきた。

それが前髪をも揺らして心地良い。

あたしはアルバムを元の位置に戻して、リンカに目をやる。

すっかり落ち着いたようで、気持良さそうに熟睡している。

あたしはグランドピアノから楽譜を持ち出し、静かに部屋を出た。

今日の自分は、どんなことをしたってリンカを傷付けるだけのような気がした。

スバルの近況を話してやることもできなければ、ピアノも上手に弾けやしない。

あたしは階段を降りながら、この状況から打開する方法をぼんやりと考えていた。

すると、リビングのドアから顔を出したアヤねぇが不思議そうに言った。

「あら?
リンカは?
ピアノの練習もう終ったの?」

あたしはリンカが眠ってしまったことだけ告げた。
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