月下美人が堕ちた朝
20060725am08:01
スバルが置いていったvivieen westwoodのピンクのジッポでマルボロに火をつける。

肺の奥深くまで吸い込んで、思いきり煙を吐き出した。

この瞬間が良い。

スバルに出逢うまでは大嫌いだったはずなのに、今となってはかなりのヘビースモーカーだ。

もしもあたしが変なクスリにでも手を出したら、すぐにジャンキーになるだろう。

あたしは他の人間より、依存性が強すぎるから。

あたしは右手でジッポを持て遊び、火をつけたり消したりした。

このジッポは確か、あたしのバイトの初任給でプレゼントしたものだ。

あの頃はまだスバルがホストのバイトを始める前で、とにかく二人はお金が無かった。

特にあたしは、年下のスバルに金を出させるのが心苦しかったから、交通費や食事代も全部出した。

互いの仕送だけでは半月も遊べない。

それに気付いてからは、周りの友人に借金をしてまで遊んだ。

スバルにつまらない女だと思われたくなかったからだ。
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