明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 彼女はすぐに三人分の紅茶を運んでくる。
 私とあゆみはお礼を言うと、それを口に運ぶ。

「私、警察に行こうと思うの。ストラップのことを話に」

「それでいいの?」

 私の問いかけに優香は唇を噛む。

 あゆみは驚いたように彼女を見ている。

「やっぱりこのままだとダメだと思うの。警察がどう扱うかは分からないし、信じてもらえるかも分からない。あゆみのことは話に出さないから、安心して」

「両親には言った?」

 優香は首を横に振る。

「まだ言っていない。今日、話をするよ」

 それが優香のだした答えなのだろう。

 芽衣が何を望んでいるのか正しい答えは私達には分からない。

 これらのことを十年後、二十年後に思い返したとき、間違っていると思うかもしれない。でも、今の私達にできる最大限の選択だった。

 それでも唯一分かるのは、もっと早くにいじめをとめることだった。
 それは痛感しているが、もう過ぎた時間を巻き戻すことはできない。

 だからこそ、過去から目をそらさずに、これから先どうすべきか模索していかなければならないと心に誓っていた。


                          終 
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