明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「だいたい、あんたのその髪も目も、生意気なのよ」

「でも、生まれつきだもん」

 少女たちに見つめられているライトブラウンの目と髪をした、永田芽衣は口元を噛みしめ、そう言葉を漏らした。

 少女とは対照的に明香の髪は黒々としている。

 だが、明香が嫌っているのは、彼女の髪の毛の色だけではないんだろう。

 目を見張るような美少女というのはまさしく芽衣のことを言うのだろう。すっと通った鼻筋に、赤い唇。

 頬は肌荒れなど知らないかのようにきめ細かく色も白い。

 手足がすっと伸び、一見細身に見えるが、彼女が凹凸のある体型をしているのは遠目にも良く分かる。

 一方の古賀明香も背丈が高く、切れ長の目をした顔つきのきつい女性だ。

 ここ最近の彼女の言動が、よりそう思わせている可能性もある。可愛いかそうでないかと言われれば、前者だと思う。

 でも、さすがに芽衣と張り合おうとしているならば、相手が悪すぎるという言葉は出てこざるおえない。

 芽衣は今まで私が会ったことのある中で、一番きれいだと思える美少女なのだから。
< 2 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop