明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
正体不明のサイト
 修学旅行を終えると、その余韻が残ったままいつも通りの授業が始まる。これから本格的に受験に向けての準備が始まる。

 先生たちも受験に対する発破をかけてくる。私自身も受験に対する意気込みは強く、心を引き締めていた。


「ねえ、明香、何か書いてない?」

 その言葉に明香は話すのをやめ、絵里子の指先を見つめていた。

 明香は眉根を寄せる。

「何かのアドレス?」


 私は彼女たちを目で追っていたのに気付くと、顔を伏せた。だが、私の目に鉛筆で書かれたと思しき文字が浮かぶ。

「何だろう」

 それはどこかのサイトのURLだった。

「彩乃」

 私は背後から名前を呼ばれて振り返ると、あゆみが口に手を当て、眉根を寄せていた。そして、携帯を持った手を私に差し出す。


「この写真の人、古賀さんに似ているよね」

 あゆみは耳打ちするように、小声で囁いた。

 私は意味が分からないまま携帯電話を受け取り、液晶に目線を落とす。
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