明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
空っぽの携帯
 次の日、私が学校に行くと、クラス中が静まり返っていた。

私は事情が飲み込めなかったがとりあえず自分の席に着く。

絵里子の周りに村田さんを始めとし、何人かが詰め寄っている。

「その目は何よ。携帯は学校に忘れて帰ったと言っているでしょう? この携帯は夜の間にポストに入っていたのよ」

 そう言い放ったのは絵里子だった。

「何かあったの?」

 私はあゆみに尋ねる。

 あゆみは声を殺して、私の質問に答えていた。

「昨日の放課後の事と、彼女から夜メールが来なかった?

「うんん。来なかったけど」

「そうか。放課後の呼び出しの件もあったし、加古川さんのアドレスしらないんだっけ?」

「知らない。あまり話すことのない相手だもん」

 あゆみは私に携帯を見せる。そこには絵里子からメールが届いていたのだ。

「いじめって、傍観者も共犯なんだよ。だからあなた達も芽衣をいじめていたのと同じ」

「何これ」

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