くすんだ街
※
自分の部屋についても少年の眼差しが頭の中から消えなかった。
――ずっと好きだったんです
不意に少年の言葉が脳裏に浮かぶ。
忘れたほうがいい。
忘れなきゃ。
忘れろ。忘れろ。忘れろ。
ぎゃんぎゃんと喚きたてるように警告する声がする。
頭が割れそうだ。
トウカは眉根を寄せ、耳を塞ぐ。
しかし、少年の言葉を忘れる事はできない。
警告の声と、少年の言葉が、何度も何度も繰り返される。
「ウルサイ……」
耳を塞ぎ、ギュッと目を瞑ってトウカは呟く。