美味しいほっぺにくちづけて。
「なんか言えよ。」



「っ・・・」



空さんからそんな言葉をもらえるなんて、本当にシアワセ者だ。



ありがとう、空さん。私、泣きそうなぐらい嬉しいよ。涙ちょちょぎれるよ。



嬉しくて言葉が出ない。変わりに空さんの手をぎゅと握った。



空さんがいるだけで、空さんの言葉を聞けるだけで、たちまち目の前が、カラフルになる。




「ってことで、ほのりどっか行ってくれない。こいつのこといい加減、抱きしめたいんだけど・・・」




私の方に距離を詰めた空さんは、早口でほのりさんに言うと、ほのりさんは雑誌をしまい出した。



私が、泣きそうでいるうちに、光くんは眠たくなったみたいで、ほのりさんに抱かれている。




「あら、失礼ね!!光も眠そうだし、そろそろ新幹線も時間だわ。それじゃあ、彼氏彼女〜またねっ!!!」




ほのりさんと、光くんは東京に帰るみたいだ。




ほのりさんの言葉がなかったら、私はこれからも空さんを思えただろうか。




「ほのりさん、ありがとうございましたっ!!!」




私は、スタスタと駅の方へ行くほのりさんに声をかけた。




「い〜ってことよ!」





ほのりさんは、私の声に気づいて振り向き、手を振ってくれた。




ありがとう、ほのりさん。



心配してくれて、ありがとう。




「ほのりは、ほのりらしく、俺らを見守ってくれてんだろうな。」



「そうですね。ほのりさんに感謝です、本当に。」




今までいたほのりさんと、光くんの思い出してると、空さんは私を近くに寄せて、抱き寄せた。



「っ!!」




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