美味しいほっぺにくちづけて。
もう夜の七時で、辺りは真っ暗だ。風がさぁ〜と拭いて、私の肩までかかった髪をを揺らした。




髪、切ろうかなと思う。


空さんに「偶然ですね」と言うと、空さんも「ほんとに」と返してくれた。



ここは、駅の近くだから誰に会っても可笑しくない。






「また歌いに来たんですか?」




「まぁ、なんもすることなかったからなぁ。まぁ、気分転換?」



空さんの質問には答えず、私は空さんが持っているギターケースに目をやった




この前も空さんは歌っていたなぁ。


本当に私にはすごく染みたんだ。




「趣味程度だけどな・・・」




それでも、空さんの声は響いていて、心の中に入ってくる。



何か、弾いてくださいよと言ってみると、空さんは、一瞬、照れたように笑う。




「こっち、来いよ。」




「・・・はい。」




空さんは弾いてくれるのだろうか?




空さんと私は、歩いて、土手のちょっと先にある三日月公園にやって来た。




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