美味しいほっぺにくちづけて。
声をかけてきたのは、いろはで働く同期の和樹(かずき)。私が上京してきた時に、同時にここへやって来た。
私と同い年。


私たちにはもう一人、一つ年上の同期がいる。今日は体調を崩してしまって休みだ。




「小海ってどっちが好きなの?」


「は?」



「伊吹さんか空さんが好きなんだろ?」




「ち、違うよ!!!二人にそんな気持ちありません!」



・・・・和樹ってば、カンだけは鋭いのね。
しばらく否定をしていると和樹は薄ら笑いをして奥の方へ行ってしまった。



まったくなんなのよ、アイツは!!




「うみちゃん、こっち助っ人してくれる?あ、千晴ちゃんは、いいから。」



「はい!」



ゆかりさんにそう言われ、私は返事をして向かった。



千晴さんは、布巾を手に持ちながら、ゆかりさんに申し訳なさそうにしていた。



私は、急いでゆかりさんの元へ向かう。



「こら、走らなくていいから!」



「す、すいません・・・」



ゆかりさんは、厳しい、厳しい、優しいみたいな人。


咲良さんが中学生の頃からいるから、ほんとに長いんだなぁ。


咲良さんや、千晴さんよりもずっと前から、働いているから、私の両親より年上!?



縁って不思議なもんだ・・・
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