美味しいほっぺにくちづけて。
それからは、あっとゆう間に駅に着き、空さんの自転車から私は降りた。


「行け、最後に小海のかわいい顔を見せて来い!」



空さん・・・私は空さんに何も言うことが出来なくて、その場で躊躇していると、空さんは、もう一度“行け!”と、私を送り出してくれた。



泣きそうになった。



「そ、空さん!ありがとうございます!」



唇を噛みながら、泣かないようにがんばった。



空さんの背中の温もりがまだ消えないまま、私は駅の改札を抜けて、ホームに急いだ。



東京駅まで行き、そこからはバスで移動する。その間も、いろはのみんなの顔が思い浮かび、おばあちゃんの顔が、幾つも、浮かび上がってくる。



空さんの顔と、おばあちゃんの顔と、目を瞑っても、何度も幾度も、浮かび上がった。



空さんの温もりは、着くまでまだ消えなかった。
< 72 / 231 >

この作品をシェア

pagetop